私事のブログ

ただのチラシの裏

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図書館の主

図書館の主 1 (芳文社コミックス)図書館の主 1 (芳文社コミックス)
(2011/08/09)
篠原 ウミハル

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 既刊5巻。

 物語の舞台は私設児童図書館。児童書という部分からもなんとなく分かる(?)用に

 心の疲れた大人にお勧め

 訪れる人々、起こる事件を児童書と結びつけるのがとても上手な作品です。心をほっこりさせたい方、仕事などで心が疲れてしまった方に、ぜひ読んでいただきたい。テンションをあげるようなものではないので、寝る前のちょっとした読書にもお勧めです。

 個人的に好きな話しは、4巻の「大人になったら」。1巻の第一話からレギュラー化した課長が、今の自分のあり方に思い悩み、図書館通いをやめてしまいます。

 父の期待を裏切り、実家の会社を継ぐのを拒んで上京した自分。
 「ダメでも実家を継げばいい」と、心のどこかで思っていたかも知れない自分。
 実家では後継者を見定めでおり「すでに必要とされていないかもしれない」自分・・・。

 そして「児童書を楽しい」と思ってしまう自分.

「大人になりきれていないのではないか?」そう、悩みます。

 図書館のキノコこと御子柴が、そんな彼に差し出した本は「星の王子さま」。原題「Le Petit Prince」。この一冊の本が、悩む課長にどのような影響を与えていくのか・・・・。

 と言ったお話しです。図書館の主の掲載話の中では、結構な長編となります。



 さて、直接関係はないのですが、作中でチラッと宮沢賢治作品が出てきます。教科書にも載っている、日本人なら知らない人はいないのではないかと思われる人物です。特に岩手県の方には、なじみの深い著名者でしょう。「グスコーブドリの伝記」などの舞台となる「イーハトーブ」は、岩手をもじったものです。

 知っている方も多いと思いますが、今でこそ詩人などとして知られていますが、それは死後の評価であり、生前は教師、それを辞してからは農業をしながら作家活動を続けていました。とは言うものの、今でこそ多数ある宮沢賢治作品の多くは死後に発見され物です。作品として残されていたものもありましたが、走り書きなどのような感じで残っていたものもあったと記憶しています。有名な『詩と「されている」』「雨ニモマケズ」も、彼の死後、「宮沢賢治友の会」にて賢治の弟が持参した形見のかばんに入っていた手帳を、誰かが発見したことで世に出ました。
 この「雨ニモマケズ」は、ある論争を巻き起こします。簡単に書くと「これは賢治が詩として書き残したすばらしい作品だ」とする意見と、「彼の、立場や病弱な体からはかなわない願望を、つい書き残してしまった”過失”」であるとする意見です。結局、論争は積極的な意義を持つことなく、起こした本人たちも「不毛であった」としています。
 意見は様々あるでしょうが、どちらかと言うならば、私個人としては「過失」であったのであろうと考えています。
 賢治自身は「雨ニモマケズ」を世に出すつもりはなかったように思えます。記されたのは、死の2年前である1931年の11月3日とされています。この年は、病状が一時回復の後、再び倒れ、帰郷後に病の床に付いていました。「雨ニモマケズ」も、そんな闘病のさなかに書かれたものであるようです。自分の境遇や弱い体を思い、つい「願望」を書いてしまったのではないでしょうか。ただ、これは自分の現状を嘆くものではなく「何者にもなれない自分でも、それでもいい」と言う「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」とは逆の意味が込められているように感じます。とは言うものの「丈夫ナカラダ」以外の文はすべてが賢治の行き方に当てはまる気もします。

 個人的な感想ですが、賢治の書き残した作品は、どれも

夏の厳しい暑さや、冬の痛いほどの冷たさを、透明な硝子球に透かしてみた景色

 と感じます。そこに、矛盾はしますが温かさがあります。何を言ってるのかわかんねぇよ、と思われる方ばかりでしょう。私もわかりません。

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